貴方は私の虜なれ 6

一通り雑魚どもをけちらし、息せき切ってキョーコの元へと駆けつけてきた蓮。
勢いよく扉を開ける。

「お嬢様、お待たせいたしました。」

そう、声をかけたはいいが、返事ひとつない。
このあまりにも理不尽な状況に、理性の塊で動いているような蓮は、ついに・・・・・・キレた。(というか壊れた?)

「・・・・・・・・・・。何でいないんですか、あの人は。何ですか、コレは。何でじっとしていられないんですかね、あの方は。・・・・・・ふっ。あれですか?俺を試しているつもりですか?こんな手の込んだものまで作って。しかも賄賂って何ですか。いいでしょう。もう・・知りません。勝手に死ねばいいでしょう!!」

扉を開けた先に居たのは、キョーコではなく、丁寧に机の脚に括り付けなおされた、額に『ワイロ』と書かれた等身大の愛らしいキョーコ人形。
力任せにロープを引きちぎり、キョーコ人形を投げつけた。すると、首がすぽんと抜け、その胴体の穴からたくさんのキャンディーと、リボンのかけられた懐中時計が・・・・。
それをみたとたん、今まで爆発していた怒りが静まり、平常心(・・・とまではいかないかもしれないが、)を取り戻した。

「これ、俺に?こんなときにプレゼントって、何考えてるんでしょうねぇ・・・。」

そうつぶやいた蓮の顔はしかし、どこか穏やかで、まるで慈しむような優しい笑顔だった。
そんな風に穏やかな笑顔のまま、
その懐中時計を開けると・・・一気に驚愕するやら、あきれるやらといった、なんとも表現しがたい、だがしかし、確実に蓮の今まで見たことのない表情になっていたのは確かだった。

お嬢様?これは時計ではありませんよ?

そう、蓮が目にしたものは、ド●ゴンレーダーのような・・・・・。

・・・・・・!!発信機!

そしてひらりと足元に落ちた紙を見れば・・・

『少しだけ、貴方に縛られてあげます。』

そう、一言だけ書かれていた。

もう、どうしてこの人は俺の感情を乱すのがうまいのだろう。
何も興味ないくせに、誰も大事ではないのに。
最後の最後でこんな卑怯な手で俺を試して、俺を縛って、俺を乱す。
本当に縛られているのは俺のほう。

貴方に・・・囚われてしまいそうになる。

そこに佇む蓮は、今まで誰も見たことのない、蓮すらも自覚していない、喜びで破顔した表情だった。

***

お待たせしました。第6話目デス。
ちょっと最後のほうかいてて、思わず「プリズナー?」とおもってしまいました。

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