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zoom RSS 貴方は私の虜なれ  第26話(完)

<<   作成日時 : 2013/07/06 00:22  

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連続UPです。


第26話



「蓮?」

呼ばれて思考の渦の中にいたことを知らされる。抜け出さなくては。

「・・そういうことは、人を選んで言わないといけませんよ。私はあくまで執事。まるで先のセリフはプロポーズしているようなものですよ?」

「あら?そう聞こえたの?私としては、人を選んで言ったつもりよ?」

「・・意味解って仰っています?」

「意味?わかってるわよ。どうせ殺されるのなら綺麗に殺されたいもの。」

「〜〜〜〜〜っ」


この人はっ!!


「やはり、解っていませんね。私の悶々とした気持ち返して下さい。」

「ちょっと、失礼ね。食べるってそういう事でしょ?」

「食物連鎖的にはね。でも、男女の間では意味合いが違います。その意味を理解して、それでも私の前から逃げ出さなかったときは、私が責任を持って綺麗に食べて差し上げます。」

「じゃ、食物連鎖的には食べないの?悪魔なんでしょ?」

「っ!」

「あら。もしかして本当にそうなの?」


しまった。迂闊に息をのんでしまったのがいけませんでしたね・・・。

どういたしましょう?脅す?それとも騙してすみませんと謝る?

脅してもこの人は動じなさそうですし、2番目は嫌です。ああ、出方を見るのが一番ですね。


「そうだとしたらどうします?」

「どうもしないわよ。もしかしてそうかもしれないって、さっきふと思ったのよ。でも、蓮がたとえそうだとしても怖くないわね。」

「何故です?」

「蓮だけは私を裏切らないから。悪魔を味方につけているなんて、ステキじゃなぁい?それこそ無敵でいられるもの。それに、もしもあなたが悪魔だとしたら、悪魔は悪魔でも、蓮は上級魔のはずよ?それもとびきりの。魔力が強いものほど美形になるって聞いたことがあるわ。だから、この世界でも無敵。魔界でも無敵ってことでしょ?」

「あなたって人は・・・何処まで知ってるんですか。いつ、気づいたんですか?」

「んー。瞳の色?さっき一瞬だったけど、深紅だったもの。・・・というか、本当に悪魔だったのね。」

「ええ・・まぁ。」

「それで、“あくまで”執事って使ってたのね。」

「嘘は言っていないからいいでしょう?」

「そうねぇ。私のほかには誰も気づいていないんでしょ?」

「レイノは知ってましたね。一目見ただけで見破られましたから。」

「あー。レイノはそういうの見えるみたいだものね。霊とかそういうの。でも、悪魔も本当にいたなんて知らなかったわ。あ。もしかして閻魔大王もいたりするの?」

「いますよ。」

「じゃ、天使や妖精もいるの?」

「いますよ。それらが人間界に修行に出たときに邪気に触れて、身も心も真っ黒く染まってしまうと悪魔になるんですよ。天界から人間界には降りれますが、地獄から人間界には上がれないようになってるんです。ふつうは。でも、たまに時空のひずみが発生して上がってくることもありますが、そういうのはこちらで大規模な戦争が勃発している時にしか起こりませんし、地獄のほうが私たち悪魔にとっては居心地のいいところなんで滅多に上がっては来ませんけどね。」

「じゃ、何で蓮は来たわけ?」

「暇つぶしですよ。居心地いいんですけどね。何千年もいると飽きるんですよね。で、丁度ひずみができたんで此方に。」

「ふぅん。蓮みたいな悪魔って、沢山いたりするの?」

「さぁ・・・。でも、10体くらいしかいないと思いますよ。って、こんなこと知ってどうするんです?悪魔にでもなるおつもりですか?」

「どうかしら?でも、なってみてもいいかなとも思うの。蓮が一緒にいてくれればね。」


そんなことを言われたら、こう言うしかありません。


会話で腕の中から離れてしまっていたお嬢様をもう一度腕の中に閉じ込めて、その愛らしい耳元に唇を寄せて囁く。




「一緒に落ちてみますか?」

――――と。

すると、クスリと笑って漂々と「いいわね」と答える。

覚悟があって言っているのか、それとも面白がって言っているのか。
きっと後のほうが9割だろうけど。

それでも、なぜか勝手に言葉が続いて出てくる。


「でも、悪魔には決してなれませんよ。人間を愛した悪魔は、悪魔には戻れないんですよ。」

「じゃぁ、悪魔を愛した人間はどうなるの?」

「慈悲深い心の持ち主ですからね。死後、光となって、やがて天使になるんです。その光は強力で、すべての悪を浄化し、その人が愛した悪魔さえも天使に変えてしまうんです。」

「ふぅん。でも、それなら愛されて浄化してもらいたい悪魔ってたくさんいるんじゃないの?」


何処までも冷静な彼女。少し、苛立ちが募ってくる。


「言ったでしょう?魔族にとっては心地いい場所なんです。それに、愛されなかった悪魔は、只の灰になって朽ちていくんです。だから、わざわざそんなことをしたいと思わないんです。」


なぜ、俺は苛ついている?


「じゃぁ、蓮は?どうして私に一緒に堕ちてくれると言ったの?」




ああ・・そうか。
俺は一緒にいたいんだ。

俺が、彼女の心を望んでいるんだ。

思わせぶりな態度で、言葉で、俺の心をかき乱してくる。それなのに、彼女はいたって冷静そのもので、魔界についてのシステムを聞いている。

それがまるで、俺の心が弄ばれているかのように感じるから苛ついているのか。

俺と同じように、俺の言葉で、態度で、彼女の心も乱れて欲しいと願っている。



「貴女が好きだからですよ。貴女を愛してしまった。私と、堕ちてくれますか?」



精一杯の告白。

ダメなら灰になるけれど、それも悪くないと思ってしまうほど、私はあなたの虜になってしまった。

貴女の答えは?


「もちろん、YESよ。私も、貴方を愛しています。蓮がいない生活なんて考えられないわ。」

「灰にならずに済みましたね。」

「私より先に居なくなるなんて許さないんだからね。」

「もちろんですよ。ところで、先ほどの男女の中という意味での食べるということ、理解していらっしゃらないようなので、私が手とり足とり詳しく教えて差し上げますね。」

「え?ちょっと、蓮?解ってるわよ?教えてくれなくても。」

「そうでしたか?では早速頂いてもよろしいですか?まずは、味見をさせてください。ディナーは、ゆっくりじっくり時間をかけて頂くことにしますから。」


腕の中でジタバタとする愛しい人の顎に指をかけて上向かせ、その赤く色づく唇にそっと触れるだけのキスをした。




FIN.



+++

えーと、魔界についての云々は夏那の勝手な想像ですのでツッコミはご容赦ください。
悪魔のほうは相思相愛でないとダメですが、人も相思相愛でない場合は天使にはなれません。通常の魂として霊界を飛び交うんですよ多分。

入れようとして入れるところがなかった。つか、ここまでくると天使にはどうやってなるんじゃい!という疑問が出てきたりもしますが、その辺はあえてスルーで。→考えてたら訳が解らなくなってきたらしい。


長きにわたり放置したせいで、完結がこんなにも遅くなってしまいました。
それでも、最後までお付き合いくださいました皆様に感謝感謝です。ありがとうございました

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